Papicoon’s blog

痙攣性発声障害の治療記録

チタン手術後2ヶ月

こんにちは、ぱぴこです。

予想通りしっかりブログをさぼってしまいました。笑
 
ちょうど手術から2ヶ月が経過したので、
現状とそれまでの経過(ちょくちょく録音してたのでそれを聴きながら)を
ざっくり振り返っていきたいと思います( ̄▽ ̄)
 

🐣手術後4日目〜1週間

発声解禁。声が少し高くなっていて、ハスキー。
弱々しい裏声って感じで声量はかなり細い。
発音が少し不明瞭で言いづらい言葉がある。
ZA行などの濁点が言いづらい。
手術跡は寝転ぶ時など、首に力が入る時は首に違和感と痛みがあったが1週間ほどで薄れてきた。
詰まりはなく話しやすいので、総じて満足!
 

🐣手術後1週間〜3週間

少し詰まりそうな感覚とちょくちょく二重声になる。けど手術前よりは話しやすい。
手術直後より声が高い。というか日に日に声が高くなっている…?
掠れはあまり感じられず、声量は少し出るように。
 

🐣手術後3週間〜5週間

語頭が詰まって言葉が出づらい。
ハスキーさは全くなく、不自然な高い声に。
話している途中で詰まるというより、完全に喉詰め声になってしまった。
手術前は中軽度くらいの症状だったが重度レベルに。
症状が悪化しており、かなり話しづらい。
全く言葉が通じないことも。
 
手術で治らないことは予想していましたが、症状が悪化するとは思っておらずこの期間はかなり不安でした…(;∀;)
 
ポリープや肉芽でもできたのかと思いましたが、1ヶ月検診では声帯に異常なし。
このあたりで東京に引っ越したため、違う病院で再度受診。
先生に手術前と今の声を聞き比べてもらいましたが
先生も「あー悪化しちゃってるね」とのこと。
ですよねー(笑)
 
先生の見立てですが、
 
チタン手術で掠れが生じる
     ↓
声が掠れているから脳がもっと閉めろと命令する
     ↓
さらに声帯が閉まることによって症状が悪化
 
という悪循環が起こっているとのこと。
珍しいけど、首回りの緊張が強すぎる人には起こりうるらしい。
 
なるほど。
術後2週間くらいでハスキーさがなかったのと
声が高くなっていってたのは伏線だったのね、と。
手術前に先生からは「少しハスキーさが残って詰まりがない状態が理想」と聞かされていたので、徐々に喉が閉まっていってたのかな。
 
術後の過ごし方として、今思うと良くなかったな、と思うこと。
1つは手術を機に仕事を辞めたので、話す機会が極端に減ってしまったこと。
そして、それを補うために1人で発声したり元々の地声に寄せたり、ボイトレをしてしまったことです。
いろんな声を出そうとすることでチタンが入ったことも相まって徐々に自然な声の出し方がわからなくなっていきました。
先生からも「変な発声をすると過緊張が出てしまう」と注意を受けていたのに。
多少違和感があっても自然に出るままの声で話すことがリハビリになるそうなので、普通に日常生活を送ればよかったなーと今は思います。
 
さて、こちらの先生からは4つの選択肢を提示されました。
❶チタンを取り出す
❷筋肉切除の手術を受ける(チタンは取り出す)
❸音声リハビリ(ボイトレ)を試す
❹裏声で話す
 
1つずつ見ていきます。
 
❶チタンを取り出す
今の悪循環を作っているチタンそのものを取り出してしまう方法。
術後1ヶ月でこれ言われた時はまじかい✋ってなりましたが、
「チタン手術をしたこと自体は間違いではないし、したことで分かったこともある」っていう
先生の言葉に確かになーと思いました。
1年前の自分ならちょっと泣いてたかも。成長。笑
 
❷筋肉切除の手術を受ける(チタンは取り出す)
声仲間さんの経過を見ていてもかなり良さそうで
チタンがダメならこっちを受けようと元々思っていました。
個人的な疑問として、痙攣性だけでなく過緊張にも効果があるのか
気になっていたので尋ねたところ、効果はあるとのこと。
ただ、私のような場合は今回と同じことになる可能性もあるそう。
筋肉切除はチタン手術と違って、不可逆性の手術で元には戻せません。
私の症状だとリスクが高そうなので、吟味した方が良さそう...。
 
❸音声リハビリ(ボイトレ)を試す
音声リハで治る方も一定数いるそう。
まずはこれを試してから手術を検討するのもあり、とのこと。
 
❹裏声で話す
声帯に過度な緊張を与えないために、日常生活を裏声で過ごすというもの。
実際にこれを1年ほど続けて完治された方もいるそうです。
個人的には仕事する上でちょっと現実的じゃないかな、と。
低い裏声が出るならまだしも、術後は低音域が特に狭くなったので本当にミッキーになってしまう(笑)
(ミックスボイスとか使いこなせればましなのか…?)
 
 
多少違っているかもしれませんが、ざっくりこんな感じだったと思います。
チタンを取り出すのもありかなと思いましたが、
まだ声の出し方を探っている状態でもう少し馴染んだら違ってくるのではないかという思いと、
先生からは痙攣性と言われたけど自分では過緊張の症状の方が強い気がしていたので
とりあえずは音声リハで経過を見ていくことにしました。
 
ここから1ヶ月ほど、言語聴覚士の先生、その他のボイトレの先生にみて頂き、さらに鍼治療を行いました。
 
そして、現在の状態です。
 

🐣術後2ヶ月

1ヶ月前に比べて声にハスキーさが出てきて、手術前より話しやすくなりました( ´ ▽ ` )
先生によるとボイトレや首回りのマッサージ、鍼治療で首回りの筋肉が緩んだことが功を成したそう。
先日、実家に帰省しましたが以前より話しやすそう!と言われたので客観的に見ても改善しているようです。
ただ、手術前から苦手だった文章の読み上げとかはやっぱり喉詰め声になりがちですがこちらも手術前よりマシになりました。
 
声量に関してはちょうど先日居酒屋に行きましたが、声が小さすぎるというより芯のない掠れた声なので相手には届きにくいです。
外食するときはなるべく距離の近いカウンターでお願いしています。
コンビニなどでは普通に通じる声量なので日常生活には問題なし。
こちらはもう少しチタンが馴染んだら改善していくと思っています。
 
もう1つは喉の疲れやすさ、乾燥のしやすさ。
長時間話すと喉が疲れて枯れやすくなってしまいました。
乾燥に対してはこまめに水分を取れるように小さいマグボトルを買ったり夜は必ず加湿器をつけることで対処しています。
疲れやすさは声仲間さんによると改善していったみたいなので様子見かな。
(体験談を聞かせてくださったり相談にのってくださった声仲間さん、本当にありがとうござました🧡)
 
まだまだ症状に波があるし、自分でも発声の仕方に問題があると思っているのでこの調子でボイトレと鍼治療は続けていこうと思います。
 
次はボイトレの話でも書こうかな。
 
ではでは〜( ´ ▽ ` )

痙攣性発声障害 甲状軟骨形成術Ⅱ型(チタン手術)

こんにちは、ぱぴこです。

 

先日、痙攣性発声障害の治療で

甲状軟骨形成術Ⅱ型”

という手術をひろしば耳鼻咽喉科で受けました。

甲状軟骨にチタンをはめこむ手術なので、よくチタン手術と呼ばれています。(以下、チタン手術と記載)

入院から退院までの様子をまとめました。

 

※あくまで私が体験したことの記録です。

専門的なことはお医者様や病院にご相談ください。

また、こちらは手術を勧めるためのブログではありません。

これから手術を受けられる方や検討されている方の参考になれば幸いです。

 

🐥11:00 病院到着🐥

コロナ禍のため、外でPCR検査を受けます。

鼻に長い綿棒みたいなものを突っ込まれて

10分ほどで連絡が来ました。

「陰性です」とのことでホッとして中に入りました。

 

入ると早速 病室に案内してくださいました。

看護婦さんがいろいろ話題を振ってくださったり緊張を取ろうとしてくださってるようでした(^ ^)

 

はじめに軽い説明と手術着をもらいます。

着替えてみたら大きく、歩くとズボンがずり落ちるので小さいサイズに替えてもらいました。

 

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着替えてすぐに「点滴しますねー」とのこと。

なんだっけ、電解質?って仰られてた気がします。

違うかも…。

毎度のことながら血管見つからず、ごめんなさいって感じでした🙇🏻‍♀️

 

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点滴したまま病室で1時間ほど待機。

トイレに行ったら手術室の方から「ピッ...ピッ...ピッ...」って音が聞こえる。心音やつ。

私の前に手術受けてる方かな。

心の中でがんばれって応援してました。

 

🐥13:30 手術開始🐥

「じゃ、手術室に移動しましょうか」

ついに来たか…!

でも、この時はまだそこまで緊張していませんでした。

手術室に移動し、手術台に乗ります。

「好きな音楽かけれるよ」とのことで、大好きな藤井風をチョイス。

先生が2人入って来られ、私の両側に立たれました。

 

さて、私は手術に関して自分なりの希望がありました。

❶自分は長く話すと詰まりが出やすいから、チタンをはめて声を出す時は長めに話したい

❷多少の詰まりが残っても声量は残したい

手術中は緊張して伝えられる自信がなかったので、始まる前にこれだけは伝えておきました。

 

手術はテキパキと進みます。

この手術、全身麻酔ではなく局所麻酔で行うため、首にだけ麻酔をします。

 

麻酔の注射が一番痛いと他の方のブログで見たので、

ここからはめっちゃドキドキしてました。

が、ボトックス注射に慣れていたからなのか、そこまで痛くなかったです。

私はボトックスの方が5倍は痛かった(;∀;)

そのあと先生に「ここ痛い?」と聞かれ、チクっとしたので麻酔を追加してもらいました。

 

その後まもなく、これはもう切られてる…?

痛覚はないのに触覚だけは残ってる。

絵に描いたようなジョキジョキ音が聞こえてくるけど

首の上にある布を切られてる感じ。不思議な感覚。

 

切られてる痛みはなかったのですが

時々喉仏のあたりをグッと押さえられることがあり

私はこれが一番ダメでした(;∀;)イターイ

 

あとは、先生たちの会話で

「あー静脈が絡み合ってるねー」とか

「ダメだ、細すぎる…」とか

いやいや怖い!(笑)

 なるべく藤井風の音楽に耳を傾けようとしたけど

いつの間にか星野源になってて感情カオス(;▽;)笑

 

そうこうしているうちに

「チタンはめるね、これはちょっと痛いかも」と。

確かにちょっと痛かった。

 

まずは2mmから。

「えー」「いらっしゃいませ」

んー、正直あんまりよくわからない。

1フレーズだけだと手術前から詰まらずに言い切れてしまう。

 

❶自分は長く話すと詰まりが出やすいから、声を出す時は長めに話したい

これを伝えていたので機転を効かせた先生が色々質問してくれました。

「今日は何で来ましたか」

 私も一言では返さず、長めに話すよう心がけました。

「今日はバスに乗って○分かけて、ここまで来ました」

 

そんなやり取りを何度か繰り返しました。

うん、確かに話しやすいかも。

❶はクリアです🙆🏻‍♀️

 

 ❷多少の詰まりが残っても声量は残したい

手術を渋っていた理由の一つです。

チタンを装着することによって詰まりを軽減する代わりに声量が小さくなったり、ハスキーな声になってしまう。(チタンの幅が広いほどハスキーになる)

これが本当に気がかりでした。

 

ただ、先生からは詰まりを残すと結局満足できない人が多いから、オススメはしないとのこと。

なので、詰まらないけど自分が許容できる声量を探すことにしました。

 

この手術ではチタンを甲状軟骨の上下2箇所に設置します。

通常、上下共に同じ幅のチタンを入れます。

ひろしば耳鼻咽喉科でのチタンの最小は2mm。

私はこれが可能な最小サイズだと思ってました。


ですが、例えば上を2mm、下を0mm(つまり入れない)にすると実質真ん中の1mmの幅もできるとのこと。

まじか。これは初耳。

 

というわけで、1mmを試させてもらう。

んー、ちょっと詰まってる?

もっかい2mm。

すこし掠れるけど綺麗に発声できてる。

2.5mmは?

「いらっしゃまsー....」息抜けすぎ。

 

この時点で1mmと2mmで迷いましたが、先生いわくチタンの幅を狭める再手術は可能だそう。

「100人に1人くらいかなー」とのこと。

逆に、チタンの幅を広げる手術は、あまりうまくいかないことが多いとのことだったので、

じゃ2mmが一番かな、と。

(今思うと上3mm、下0mmの1.5mmもできそうですね。一応試せばよかった)

 

続けて声量を確認したかったので、2mmで大きい声を出させてもらう。

 

先生「いらっしゃいませー」

私「いらっしゃいませー」

先生「もっと大きく」

私「いらっしゃいませー!」(部活かな?)

先生「出るじゃない」 

私も え?全然出るやん。と思いました。

 

❷もクリア🙆🏻‍♀️

 

というわけでいろいろ試させていただいて上下とも2mmに決定しました。

 

チタン手術って完治ではない分、自分がどこまで許容できるかも大切だと思うので、受けられる方は自分の不安や希望を事前に伝えておくといいと思います。

 

そのあとは早く終われーと念じながら

トータル1時間半ほどで終わりました。

手術着、汗びっしょり(笑)

 

手術後は体に力が入っていたこともあり、ドッと疲れがきました。

部屋に戻ってちょっと休憩。

 

2時間後くらいにお水飲めますか?って聞かれて普通にゴクゴク飲めたので、(大体の方はむせるそう)飲食OKとのこと。

朝7時から絶食だったので、カロリーメイト貪り食ってました。

さすがにむせた。

 

🐥17:00 晩ご飯🐥

本当なら18時予定でしたが、「ちょっと早いけど届いたし、温かいうちにどうぞ」と看護婦さんが晩ご飯持ってきてくれました。

 

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え、やば!!!

牛肉なんていいんですか...♡

ズキズキとした痛みはありましたが、食欲に勝るものなし。

余裕の完食。

このタイミングで鎮痛剤ももらいました。

「この時間になったら飲んでいいよ。飲んでも耐えられない痛みなら夜中でもナースコールで呼んでね」とのこと。

 

私は痛みも我慢できる程度だったので、0時には就寝。

痛くて眠れない人もいるみたいです...。

 

🐥翌日7:00  朝ご飯🐥

看護婦さんが朝ご飯持ってきてくれました。

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こちらも余裕の完食〜。

手術したら食欲失せて痩せるって聞いてたけど、私は該当しなさそう🐷

 

そのあとチラッと先生が来られました。

手術から4日は発声禁止。

術後1ヶ月に無理な発声をすると過緊張性発声障害顔を出すので気をつけてねとのこと。

 

お会計は事前に済ませていたので、

帰りは家族に迎えにきてもらい、そのまま退院しました。

もうちょっと入院してたかったなぁ(・ω・)


今回、5年通い続けたひろしば耳鼻咽喉科で手術をしていただきました。

手術中に私が「何度も試して時間かかってすみません...」と謝ると、「いいよいいよ、納得いくまで何度でも試しな〜」と先生が言ってくれたのが印象に残ってます。

先生も看護婦さんもみんな温かかった。

また、いつか改めてお礼をお伝えできたらなと思っています。


ではでは( ̄▽ ̄)

痙攣性発声障害について

こんにちは。ぱぴこと申します。

 

私は5年前に

“内転型けいれん性発声障害

という病気を発症し、現在まで治療を続けてきました。

 

最近、伍代夏子さんやGACKTさんが発声障害であることを公表されていたので

あ、聞いたことある!という方は多いかもしれませんね。

 

この病気の特徴として、

  • 声が詰まる
  • 声が途切れる
  • 声がふるえる
  • のど詰め声

が挙げられます。

 

声が思うように出ないって想像以上に辛いです。

 

“おはようございます”   “お疲れ様でした”  

社会人なら毎日使うワードですよね。

でも、出ません。出ないんです。

私は “おっ…はようござ…” て感じになっちゃいます。

もちろん周囲の人からは「え? 」って顔をされます。

 

こんな経験を繰り返していると、話すこと自体がどんどん怖くなっていきます。

心が疲弊し、人を遠ざけるようになっていくんです。

 

この病気の厄介なところ①

症状に波がある

 

普通に声が出るときもありますが、出ないときもある。

「声が出づらい病気で…」と伝えていても

「いやいや、さっき出てたじゃん」となるため、とにかく理解されにくい。

自己紹介、電話、お店での注文、何かを説明する時などに特に症状が出やすくなる方が多いようです。

 

この病気の厄介なところ②

耳鼻咽喉科で診断がおりにくい

 

普通の耳鼻科に行っても「綺麗な声帯してるよ」としか言われません。

それもそのはず。

発声障害は声帯に異常があるのでなく、

声帯が異常な動き方をしてしまい、うまく発声できない病気からです。

患者数が少ないこともあり、の病気自体を知らない耳鼻科の先生が多いのです。

そのため、発症から診断がおりるまで何年もかかったという方も珍しくないそう。

✳︎自覚症状がある方は、音声専門の耳鼻咽喉科を受診してくださいね!

 

ちなみに、私が通院しているひろしば耳鼻咽喉科さんのhpに痙攣性発声障害の方の音声を載せられていますので、どんな声か気になる方は 確認されてみてください。

 

病気の説明はざっくりこんな感じでしょうか。

 

現在、発症から5年経ちましたが、私はまだ完治していません。

難治性の病気なので、今後もなが〜〜いお付き合いになるでしょう。

 

でも、この5年間で声仲間さんからのアドバイスや励ましの言葉、

手術経験談をお聞きしたりと たくさん助けていただきました。

今度は私が発信する側に立てたらと思い、

初めてのブログに挑戦です。

国語力ないので 文章メチャクチャですが(笑)

 

ゆるく、気ままに更新していきます。

1人でも多くの方に病気への理解が広まれば幸いです。

 

次はもっとラフに書けるといいな。

それではヽ(・▽・)ノ